ライブハウス編2

ライブハウスでのバランスなんてPA屋が取るんじゃないの?と思ってる方も結構多いと思いますけど、大間違いだったりします。ライブハウスでは生音だけで客席中鳴り響きます。
これが思いっきり変なバランスだったら、PA屋がいくらがんばっても、吸収出来たりしないんですね。

やっぱりバンドのアンサンブルは出音(注)に多大に影響与えます。
会場が小さくなればなるほど生音のバランスの影響は大きくなります。
逆に会場がでかくなればなるほど生音のバランスの影響は小さくなります。

前章までに説明してきた生音のバランス取りは、音量が変えられなくて、いちばん音量の大きいドラムの音を基準にバランスを取ってきました。
この方法でアンプのボリュームを決めていくと、PA無しでも客席でバランスのとれた生音が聞こえてくる事になります。

するとPA屋さんは全部の音を同じだけPAすればよくなるので、会場全体で同じバランスの音が作れるようになります。

少し理屈を説明しておきましょう。

PAスピーカーは広い指向性(広い音の方向性)を持ち、会場全体をカバーするように設置します。
<図>の赤いところでPAスピーカーからの音が聞こえる感じ。

それに対して、ギターアンプは比較的狭い指向性(狭い音の方向性)を持ち、音の直進性が高いように思います。(マーシャル1960などスピーカーユニット4発のものは特に)
<図>の青いところ。

例えばPA席でギターアンプの生音がガンガン聞こえていて、それにバランスが合うようにドラム、ベース、ボーカルをPAしたとします。<図>をよくみていただければわかると思いますけど、全部の音がバランスよく聞こえる場所は、赤と青が重なる場所のみになります。

もしステージから聞こえてくる生音が「バランスの良い生音」だったら、全部の音をPAすれば良くなるので、会場全体、赤の部分は同じバランスで聞こえることになります。

大きな音を出すともうそれだけで迫力を感じるものなんで、大きな音を出したいミュージシャンが多いのもよくわかるんですが、このふたつの章で書いたようなデメリットも出てくるんで、いろいろ工夫しながら、また会場のPA屋さんとも相談しながら、いいバンドアンサンブルを探ってみてください。

なお生音は下げればOKでは無いと思います。前もちょっと触れたようにPAから出てる音と生音の両方が聞こえてライブハウスらしいサウンドは生まれてるように思います。
実際、ドラムが打ち込み(注)のバンド(生音は無い)(注)はPAでいくらがんばって大きな音を出しても、なんか迫力が足らないように感じますね。要はバランス!

この章で書いたアンプの指向性は[アンプの指向性ってなんだ?]でもっと詳しく書いてみたいと思います。
[バンドマンが知っておいた方が良いPAの知識]も参考にしてみてください。

余談
てんちょーがライブハウスへライブを見に行ってギターの生音がガンガン聞こえるときは、会場をうろうろ動いてバランスが良くなる場所を見つけて見るようにしています。(<図>の赤と青の境目あたりでバランスよくなることが多い)
こういうときのPA屋さんはお客さんが盛り上がって、最前列2列くらい立ち見が出るのを待ってると思います(笑)。お客さんの体がギターの生音を遮って、PAでバランスが取りやすくなるんですね。お客さん、防音壁扱い(笑)


カテゴリー: バンドアンサンブル 
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